個人再生のデメリットとは?知っておくべき注意点を詳しく解説
個人再生とは、裁判所の再生計画認可決定をうけて、大幅に債務を減額してもらう手続きをいいます。減額された債務は数年かけて支払うことになります。もっとも、デメリットを伴うことなく、債務の圧縮と支払いの猶予というメリットを得ることができるわけではありません。
そこで、このページでは、個人再生のデメリットについて説明いたします。
【民事再生に伴うデメリット】
1 信用情報機関に記載される
2 官報に記載される
3 個人再生を利用できない場合がある
4 時間がかかる
5 債務が消滅するわけではない
6 費用が掛かる
1 信用情報機関に記載される
個人信用情報とは、ローンや借入などのお金に関する情報のことをいいます。個人信用情報は個人信用情報機関が記録しており、ブラックリストに登録されると以下の制限を受けます。
・新たな借り入れができなくなる
・クレジットカードを使えなくなる
・賃貸物件を契約できなくなる
個人再生を受けると、ブラックリストに登録され、5~10年間記録されるため、信用が失われます。そのため、ありとあらゆる審査が通らなくなってしまいます。
CIC・JICC・KSCなどの信用情報機関同士で、記録された情報は共有されるため、ほかの業者があるから大丈夫というわけではありません。
2 官報に記載される
官報とは、国が発行している機関誌のことをいいます。法令の公布や、裁判所・会社からの告知が掲載され、ほぼ毎日発行されています。
個人再生を行うと、官報に、個人再生の事実と、名前・住所等の個人情報が掲載されます。
もっとも、官報の存在を知り、読んでいる人は少ないため、家族や友人に知られる可能性は極めて低いです。なぜなら、官報販売所は全国に48か所しかないうえ、インターネット版も30日間のみの公開となっており、さらに定期購読を行っているのも、官公庁や金融機関などに限られるためです。そのため、不利益はそれほど大きくないともいえます。
3 個人再生を利用できない場合がある
無条件で個人再生が利用できるわけではなく、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがない場合には民事再生は利用できません。
4 時間がかかる
個人再生は、裁判所を通して行う手続きであり、法律上の申立て、必要書類の提出、裁判官との面接など、やるべきことが多岐にわたります。
そのため、個人再生は手続きが終了するまでに時間がかかります。目安として半年から1年程度かかると考えられています。
個人再生を長引かせないためには、弁護士に依頼し、書類を不備なく期間内に提出することが必要になります。
反対に、債権者が同意しない場合や、履行テストを行う裁判所に申し立てを行った場合には手続きが長引くおそれがあります。
5 債務が消滅するわけではない
上述したように、個人再生は債務を消滅させるわけではなく、圧縮し、それを分割払いさせるものです。10~20パーセント程度に圧縮された債務は債務者に残り、これを3~5年程度で支払う必要があります。
6 費用が掛かる
個人再生にかかる費用には、裁判所に支払うものと、依頼した弁護士に支払うものがあります。
裁判所に支払うものは、予納金・個人再生委員の報酬・収入印紙・郵便切手など、合わせて数万円程度で済むことが多いです。
一方で、弁護士に支払う費用は、弁護士によって異なります。
その内訳は、相談料・着手金・成功報酬などがあり、合計して40~50万円が目安となります。
圧縮前の債務が少ない人にとっては、弁護士費用が高額で、圧縮しても支払うべき額があまり変わらなかったということもあり得ます。
村上・加藤・野口法律事務所では、愛知県名古屋市中区を中心に、幅広い地域において債務整理はもちろん、相続問題、労働問題など数々のご相談を承っております。個人再生など、債務整理でお悩みの方は、村上・加藤・野口法律事務所までお気軽にご相談ください。
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