遺留分侵害額請求の時効はいつ?注意点も併せて解説
遺留分は、被相続人が特定の相続人に多くの財産を渡す遺言を残した場合でも、他の法定相続人が最低限の取り分を請求できる権利です。
本記事では遺留分侵害額請求の時効と、請求を行う際の注意点について解説します。
遺留分侵害額請求に関する時効
遺留分侵害額請求には、以下の3つの時効および除斥期間があります。
時効は相続と遺留分侵害を知ってから1年
遺留分侵害額請求権は、相続が発生したことや遺留分が侵害されたことを遺留分権利者が知ってから1年以内に行使しなければ時効により消滅します。
「知った日」というのは、遺留分を侵害する具体的な内容、たとえば遺産の大部分が遺贈されたことを知った日です。
相続開始から10年を経過すると請求権は消滅
遺留分の侵害について知らないままだったとしても、遺留分侵害額請求権は、相続が開始してから10年を経過すると消滅します。
10年間は「除斥期間」と呼ばれ、相続開始から10年以内に遺留分侵害額請求を行わなければ、権利を失います。
金銭支払請求権の時効は5年
遺留分侵害額請求権を行使した場合、金銭支払請求権が別途発生します。
金銭支払請求権は、原則として5年で時効となります。
つまり、遺留分侵害額請求権を行使した後に5年間何も手続きをしなければ、金銭を請求する権利も失われてしまうため、5年以内に裁判で請求する必要があります。
遺留分侵害額請求を行う際の注意点
遺留分侵害額請求をする際には、いくつかの注意点があります。
相続内容を正確に把握する
まず、相続内容を正確に把握するために、被相続人の財産状況や、遺言書で財産の分割方法が指定されている場合には、特定の相続人が遺留分を侵害していないかを確認する必要があります。
また、遺産分割協議を経て相続内容が確定する場合、各相続人の生前贈与の特別受益について把握をした上で、遺留分侵害がないか検討しましょう。
相続人が揃う場面で内容を正確に把握することで、後々のトラブル回避につながります。
自分の遺留分の割合を確認する
遺留分侵害額請求をする前に、自分がどれだけの遺留分を有しているか確認することが大切です。
相続人が直系尊属(親や祖父母)だけの場合、遺留分は法定相続分の1/3になり、配偶者・直系卑属(子や孫)の場合、遺留分は法定相続分の1/2になります。
まとめ
今回は遺留分侵害額請求の時効について、注意点と併せて解説しました。
遺留分侵害額請求は相続における最低限の権利を守るための重要な手段ですが、時効があるため、相続開始後速やかに相続財産の状況を確認し、必要に応じて請求の準備を進める対応が求められます。
遺留分侵害額請求には法的な手続きを伴うため、弁護士への相談をおすすめします。
当事務所が提供する基礎知識
-
公正証書遺言を作成す...
遺言を残す方法として、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言があります。本稿ではその中でも公正証書遺言を作成するメリットとデメリットについて詳しく解説をしていきます。公正証書遺言とは公正証書遺言は、2人以上の証人の立ち […]
-
離婚までの流れ
「夫と離婚することを考えているが、離婚が成立するまでの流れがよく分からないので困っている。」「離婚までどういった流れで進むのかが分からないので、離婚の方法で悩んでいる。」離婚を検討される方のなかには、離婚の流れについてこ […]
-
保険会社との示談交渉...
「交通事故の被害に遭い、入院生活を送っている。加害者側の保険会社から示談の話がきているが、いつまでに成立させる必要があるのだろうか。」「交通事故後、首の痛みで通院を続けているが、加害者側の保険会社から示談をせかされている […]
-
個人再生のデメリット...
個人再生とは、裁判所の再生計画認可決定をうけて、大幅に債務を減額してもらう手続きをいいます。減額された債務は数年かけて支払うことになります。もっとも、デメリットを伴うことなく、債務の圧縮と支払いの猶予というメリットを得る […]
-
個人再生における最低...
個人再生は債務整理手続きの1種で、元本、利息、遅延損害金、将来利息などを減額した上で、3〜5年程度で返済を継続していく手続きです。個人再生での減額では、最低弁済額というものがあり、これがいくらくらいの額になるのかについて […]
-
自己破産をした場合に...
自己破産を検討しているが、家族に迷惑をかけたくないといった方からのご相談を多く受けます。本記事では、自己破産で家族に影響するものとしないものをそれぞれ紹介していきます。 ◆自己破産による家族への影響①持ち家や車 […]
よく検索されるキーワード
-
エリアに関するキーワード
- 自己破産 弁護士 相談 愛知県
- 自己破産 弁護士 相談 名古屋市中区
- 不当解雇 弁護士 相談 名古屋
- 示談交渉 弁護士 相談 名古屋
- 相続 弁護士 相談 名古屋市中区
- 示談交渉 弁護士 相談 名古屋市中区
- 不当解雇 弁護士 相談 愛知県
- 残業代請求 弁護士 相談 名古屋市中区
- 借金問題 弁護士 相談 名古屋市中区
- 交通事故 弁護士 相談 名古屋市中区
- 示談交渉 弁護士 相談 愛知県
- 債務整理 弁護士 相談 愛知県
- 借金問題 弁護士 相談 愛知県
- 交通事故 弁護士 相談 名古屋
- 交通事故 弁護士 相談 愛知県
- 労働問題 弁護士 相談 愛知県
- 残業代請求 弁護士 相談 愛知県
- 残業代請求 弁護士 相談 名古屋
- 労働問題 弁護士 相談 名古屋市中区
- 離婚 弁護士 相談 名古屋市中区
弁護士紹介
事務所概要
事務所名 | 村上・加藤・野口法律事務所 |
---|---|
所属 | 愛知県弁護士会 |
弁護士 | 野口 新(のぐち あらた) |
所在地 | 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内2-2-7 丸の内弁護士ビル802 |
電話番号 | 052-265-6534 |
対応時間 | 平日 9:00~18:00(事前予約で時間外対応可能) |
定休日 | 土・日・祝(事前予約で休日対応可能) |