職場でのパワハラ被害|会社や上司を訴えるための証拠や手順とは
パワハラとは、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されることをいいます。
パワハラ被害に困っており、上司を訴えようと考えていても、どうしていいか分からない人は少なくないです。
そこで、このページでは、上司を訴える手順・証拠の収集についてご説明します。
◆パワハラで上司を訴える手順
パワハラで上司を裁判所に訴える前には、以下の手順を踏むことになります。
①証拠の収集
裁判所では、証拠に基づいて事実の判断を行うため、証拠がない場合、勝訴の見込みは極めて弱いといえます。そこで、訴訟を提起するまでの間に、有力な証拠をできるだけ集めておくことが必要となります。証拠として何が挙げられるかは、後述します。
②会社の上司・人事部に相談
できるだけ影響力や権限のある上司や、社内に設けられているパワハラ相談室に相談をして、労働環境の改善を試みることが考えられます。
③労働局に訴える
会社に相談しても改善が見込めない場合には、外部機関である労働局の総合労働相談コーナーに対応を求めることが考えられます。同コーナーは、労働問題を解決するために厚生労働省が設置した相談窓口です。労働局は相談を受けると、実地調査と、会社に対する働きかけを行ってくれます。
④弁護士に依頼する
上の手順によっても満足が得られない場合には、後続する手順に備えて、より専門性の高い弁護士に依頼をすることが求められます。
⑤弁護士を通じた交渉
弁護士を介して、会社と和解交渉を行います。和解がまとまった場合には、同内容に従い和解金などの支払いがなされますが、和解の内容に納得いかない場合等、和解が成立しなかった場合には、以下の法的手順を踏むことになります。
⑥労働審判手続き
労働審判とは、裁判官と、専門知識を有する労働審判員2名で構成される労働審判委員会が調停を試みる紛争解決手続きをいいます。労働審判は、原則として3回以内の期日で審理が行われます。もっとも、当事者の異議申立によって労働審判は失効するため、審判結果に不服があると訴訟に移行することが多いといえます。
⑦裁判所に訴えを提起する
上記手順で解決しなかった場合、民事訴訟に移行します。民事訴訟は、訴状を管轄裁判所に提出することによって手続きが開始します。ここでは、収集した証拠を提出して、弁論を行います。
◆証拠の収集
パワハラ解決における証拠として以下のものが有効といえます。
・ボイスレコーダー
パワハラは言動を伴うことがおおいので、これらを録音することは有効といえます。
また、会社に対する相談の内容を録音することも、相談をしたうえで改善されなかったことを立証するうえで有効といえます。
・メールやSNSの文章
メールやSNS上の言動は、保存等して訴訟に備えることが重要といえます。
・医師の診断書
パワハラが原因の心身障害を医師に相談をした場合、その診断書は重要な証拠になります。
うつ病などにり患した場合には、記録は残すようにしましょう。
・会社からの通達
会社からの異動や降格・転勤などの通達は、パワハラの内容そのものになり得るため、保管することが重要といえます。
・日記や業務日報
詳細にパワハラの内容が記載された日誌は証拠になり得ます。日付や、パワハラの内容を記載した日誌を作成し、保管するようにしましょう。
・写真・動画
形に残るパワハラは写真を用いて、形に残らない場合であっても、動画を用いて証拠にすることができます。
・会社の従業員の証言
物だけではなく、言葉も証拠になります。
村上・加藤・野口法律事務所では、愛知県名古屋市中区を中心に、幅広い地域において労働問題はもちろん、相続問題、債務整理など数々のご相談を承っております。パワハラなど労働問題でお悩みの方は、村上・加藤・野口法律事務所までお気軽にご相談ください。
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